「こと」と「事」が混在している、を目視で探す苦しさ

同人誌や小説を書くとき、表記揺れは避けて通れない問題です。「こと」と「事」、「ない」と「無い」、「すること」と「する事」——どちらが正しいわけではないのですが、同じ文章の中で両方が混在していると、読者に統一感のない印象を与えてしまいます。

自分で書いた文章を見直すとき、表記揺れを目視で探すのはとても難しいです。書いた本人は内容を追って読んでしまうため、細部の揺れに気づきにくい。それに、原稿が長くなるほど、全体を見通して揺れを見つける作業は現実的でなくなっていきます。

「自分の文章に何が揺れているか」をリストにしたかった

欲しかったのは、原稿を渡せば「この表現が揺れています」と一覧で出してくれるツールでした。指摘してもらってから直すかどうか判断する——その流れが自然だと思っていたからです。

既存のツールを探しましたが、自分が欲しいシンプルさのものが見つからなかったため、自分で作ることにしました。形態素解析ライブラリを使い、原稿内の語を品詞レベルで分解して、表記の違いを拾い上げる方式を採用しました。

ブラウザだけで動かすことへのこだわり

原稿は未発表のテキストです。外部サーバーに送信してしまうと、公開前のネタバレや個人情報の漏れが心配になる場合もあります。だからこそ、ゆれゆれくんはすべてブラウザ内で処理が完結するように作りました。テキストを貼り付けても、それがどこかのサーバーに送信されることはありません。

「安心して使える」という基準は、ゆれゆれくんに限らず自分がツールを作るときに常に意識していることです。

使ってみて気づいたこと

自分でも実際に原稿校正に使ってみると、思ったより多くの揺れが出てきます。「この表現、こんなに揺れてたんだ」という発見が毎回あります。ツールを作った本人が一番驚いているかもしれません。

全部直す必要はなく、「意図的に揺れさせている場合はそのまま」という判断も含めて、ツールはあくまで気づくきっかけとして使うのが合っています。